今回は,加法と減法が混ざっている計算の方法について勉強しましょう.
1.加法の計算法則
加法の計算をするときに,覚えてほしい法則があります.
加法の交換法則と,加法の結合法則です.
簡単に言うと
交換法則は,足し算をするとき数を入れ替えてもいいですよ
結合法則は,3つ以上の数の足し算はどの組合せ(a+bからなのかb+cからなのか)でもいいですよ.
ということです.
では,これを使って正の数・負の数が混ざった計算方法を学びましょう.
手順を先に説明します.
①正の数と負の数に分けるように数の順序を変える.
②正の数は正の数だけ,負の数は負の数だけで,計算する.
③正の数と負の数を足し合わせる.
では実際にどうやるかみていきましょう.
わかりましたか,
ここでのポイントは,正の数と負の数にわけてから計算することです
では,もう少し数を増やしてみましょう.
数がいくつになってもやり方は同じですね.
2.項と計算
ここで,新しく覚えてほしい言葉があります.
項・・・演算記号『+』と『-』の両側の数のこと.
演算記号・・・足す(+),引く(ー),かける(×),割る(÷)などの意味を持つ記号のこと.
※区別してほしいポイント
それは演算記号と,符号の違いです.
演算記号の『+』と『-』は,『足す』『引く』の意味を持ちます.
符号の『+』と『-』は,『正の数』『負の数』の意味を持ちます.
つまり,
この式の中で,
青色もしくは赤色がついている『+』『-』が符号
黒色の『+』『-』が演算記号
です.これがすんなり頭に入ってこない人は,式を言葉にしてください.
(+12)+(-5)+(+3)+(-7)
⇓
プラス12足すマイナス5足すプラス3足すマイナス7
これでわかりますよね.
正の数・負の数を表すプラス・マイナスと足す(演算記号)の区別ができたと思います.
遠回りになってしまいましたが,
項とは,演算記号(+,-)の両側の数のことを言いましたね.
演算記号と符号の区別ができたので,項を探してみましょう.
わかりましたか.演算記号は黒色ですね.
ですから,この式の項はそれぞれの演算記号の両側にある数,
つまり,+2,+7,-9,+3,-8,となります.
ここで覚えてほしいこと!
いくつかある項のうち,正の数を正の項,負の数を負の項といいます.
よって,今回は
正の項・・・+2,+7,+3
負の項・・・-9,-8
となります.理解できたでしょうか.
もう1問いきましょう.
項を探し出して,正の項と負の項に分けてください.
では,解答です.
正の項・・・+3,+2
負の項・・・-6,-5,-1,-10
できましたか.これで項は完璧ですね.
最後に,仕上げです.
加法の計算は,実際は今まで学んできた式よりもシンプルに表されることが多いです.
それは,どういうことかというと下の式2つを比べてみてください.
①と②の違いは何でしょう.
・『足す』を意味する演算記号の『+』が,省略されている.
・一番最初の項,(+6)の符号『+』が,省略されている.
この2つですね.これこそが,加法の計算の決まりです.
『足す』を意味する演算記号『+』は基本的には省略されます.
さらに,一番初めに来る,『正の数』を表す符号『+』も省略されます.
こういうことです.
特に一番初めの『+』が省略されるのは,当たり前ですよね.
小学校のとき,2+5=7って習ったのが,中学で+2+5=+7になっただけです.
いちいち『+』を書かなくても,2や5や7が正の数なのはわかりますよね.
ただし,一番初めが『負の数』を表す『-』のときは省略してはいけませんよ.
わかりましたか.
また,計算の答えは+2ですが,一番初めにくる数なので+は省略です.
では,最後に正の数・負の数が混ざった計算のまとめです.
計算の順序は,
①すべて加法に変換する(『-』が符号を反対にする力)
②シンプルな式にする(演算記号『+』の省略).
③正の数と負の数に分ける.
④正の数・負の数,それぞれを計算する.
です.見ていきましょう.
OKですか.実際には①と②の作業を同時に行えるのが理想的です.
では,最後に1問やって仕上げです.
(+2)-(-3)-(+4)-(-1)+(+3)=?
(+2)+(+3)+(-4)+(+1)+(+3)=?
2+3-4+1+3=?
2+3+1+3-4=?
9-4=5
できましたか,
①と②の作業を同時に行うと
(+2)-(-3)-(+4)-(-1)+(+3)=?
2+3-4+1+3=?
2+3+1+3-4=?
9-4=5
となります.
理解できたでしょうか.
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