前回,私が数学ができない子に共通する特徴を4つ挙げました.
①基礎がぐらぐら
②途中計算が雑になる
③問題文を完璧に理解できていない
④問題に慣れていない
今回は②について説明したいと思います.
②途中計算が雑になる
これは,どういうことかと言うとそのままです.
では,例をあげましょう.
これです.
有理化の目的は,分母にあるルート√をどうやって消すかですよね.
そのために,1行目のように分子と分母に(√7-2)をかけることで,分母で二乗がつくられ,ルート√が消えてくれるという仕組みです.
もう一度言います.
有理化の”目的”は,分母にあるルート√をどうやって消すかですよね.
数学の計算には必ず”目的”が存在します.
この”目的”を達成して,正確に答えが導けるかどうかが鍵です.
ですから,この”目的”を省略したらダメなことはわかりますよね.
問題のレベルが上がってくると,計算量も増え,式の量も増え,自分が何を”目的”にして計算しているのかを途中で見失う可能性があります.
最近,生徒のノートを見て驚愕した途中式の悪い例です.
何ですかこれ,意味わかりますか.
何を意味しているのか,全く分かりません.
この問題を上手に解く方法は
この公式を利用することです.
これこそが,今回の計算の”目的”です.
ですから,正解の途中式は,
です.何を”目的”に計算をしているのか,見てわかりますよね.
自分が,どうやって計算しているのか,他人が見てもわかるように書くのは,手間はかかりますが非常に大切なことです.
それからもう1つ.
途中式を大切にしてほしい理由は,見直しの時に困るからです.
先ほどの,悪い例をもう一度載せます.
見直したときに,これを見て,はいはいOKってすぐ言えますか.
私なら,なんだこれ,どういう意味だ,何が”目的”でこれを解いたんだ,どんな方法を使ったんだ,他の問題やったから覚えてないや,また解きなおさなきゃ
となります.二度手間です.
一方,
この式は,公式
を使ったんだなって,一目でわかりますよね.
ふむふむ,この公式ね,計算間違いはないな.OK.
これで済むんですよ,わかりますか.
頭で計算できるのはいいことです.
でもその頭で計算した方法,難しい関数の問題を解いた後に,全く同じ方法を思い出せますか.
見直しというのは,答えが合っているかを確認することではありません.
自分の解いた方法・”目的”があっているか確認することです.
そのあとに答えが合っているか確認するのです.
数学はかっこつける教科ではありません.
いかに正しい方法で,正しい答えを導くかです.
他人に自分の”目的”を,正確に伝えられるかです.
これは記述式の証明問題にもつながります.
頭で考えたことは,すべて紙の上に残してください.
見直す時に,楽ですから.
どうでしたか.
次回も楽しみにしてくださいね.
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